猿でも書けた!!就職試験に合格するエントリーシートの書き方マニュアル



あなたの話は筋がとおっているか?

エントリーシートや面接官から問われることに、あなたは適切に答えなければなりません。採用にたどり着くには、その答えが、採用担当者の脳に「すーっ」と吸収されなければいけません。

「すーっ」と吸収されることを「納得」と言い換えることができます。反対に、納得できない答えには、人間は抵抗します。まるで傷んだ食べ物を口にしたときのように、吸収できないものは、排除しようとします。

納得できる答えとはどのようなものでしょうか。「筋」がとおっているものです。聞き手はあなたの話を、その順序どおりに、脳で理解をしようとします。

その順序が大切です。人間の脳は見たものの大きさ・奥行き・質感といった2 次元や3 次元の情報は一目で瞬間的に把握できます。動物的な本能とも言えます。

一方で順序や流れといった時間軸に乗った情報は、それぞれの情報に連続性がないと簡単には把握できません。

あなたの答えが、連続性がなく話す順序も適切でない場合、それは人間の脳には吸収されにくいものと言えます。つまり、面接官は納得してくれません。

まずは簡単な例を見てみましょう。
パターンA
「私は学生時代、歴史研究のサークルで幹部をしていました。幹部になったので、後輩の取りまとめが大変な作業でしたが、評価されました。幹部の役割は後輩の取りまとめだけでなく、後輩の進路の相談や先輩のサポートもありました。
歴史には以前から興味があったので、歴史サークルに入ったのですが、たとえば日本史では、鎌倉時代の政権の勢力関係に非常に興味があったので、図書館でその時代の本を借りたりするなどして、知識をつけました。貴社に入社させていただければ、自発性と組織を取りまとめる力が役に立つと思います。」

何か、腑に落ちない感じがするというか、説得力に欠けています。ではこれはどうでしょうか。
パターンB
「私は以前から歴史に非常に興味があり、大学ではその知識をさらに深めようと歴史研究サークルに加入しました。特に鎌倉時代の政権に非常に興味があり、授業やサークルでの意見交換だけ
では飽き足らず、図書館や資料館などで、自発的に新しい知識を習得することに努めてきました。
そのような努力が評価されたため、サークルの幹部に抜擢されました。幹部は、後輩の歴史研究の指導のみならず、進路相談そして先輩方が実行できない部分のサポートまで幅広い役割があり、豊富な知識と組織や人をマネージメントするスキルが求められました。
私のこのような自発的で前向きな性格と、組織を運営してきた経験は貴社に入りましても必ず役に立つと信じています。」

あなたが面接官なら、どちらの学生を採用しますか?

このように、納得感のある説明をエントリーシートや面接で行えるかが、合格・不合格の差につながります。

このように聞き手の思考回路にスーッと入っていく話を生み出すには、二つのポイントをまず押さえておく必要があります。

これが、「演繹法(えんえきほう)」と「帰納法(きのうほう)」です。

ちょっと難しく聞こえますが、待って下さいね。内容は簡単で、
演繹法=二つの事実から結論を導き出す。
帰納法=一つの事実と結論から、事実をもう一つ導き出す。

それでも、ピンとこないですか。では簡単な例を挙げましょう。
[演繹法]
事実1: 私は自発的に行動できるタイプだ。
事実2: 人は自発的に行動できる人を評価する。
導き出される結論: 人は私を評価してくれる。

[帰納法]
事実1: 幹部は組織をまとめなければならない。
結論: 幹部には高いコミュニケーション能力が求められる。
導き出される事実2: 組織をまとめるには高いコミュニケーション能力が必要だ。

どうでしょうか。何となく分かりましたか?
演繹法は、『 「事実1」と「事実2」なのだから、「結論」ということができます。』
帰納法は、『 「事実1」があって、「結論」と言えるというなら、「事実2」と言えます
よね?』ということです。


話がこのような組み立てになっていれば、聞き手は納得しやすくなります。では、先ほどの歴史サークルの活動について語った学生の話(パターンA)に納得感がなかった理由を考えてみましょう。

まず、この学生が話した内容の要素を、その順番通りに抜き出してみましょう。
パターンA
􀁺 事実1:歴史研究サークルに所属していた。
􀁺 事実2:幹部をやっていた。
􀁺 結論3:後輩のとりまとめは大変な作業だが評価された。
􀁺 事実4:幹部は後輩の進路相談などをする。
􀁺 事実5:歴史に興味があった。
􀁺 事実6:鎌倉時代に興味があった。
􀁺 事実7:図書館で本を借り知識をつけた。
􀁺 結論8:入社したら自発性と組織をまとめる力が役に立つ

まず、事実2、結論3、事実4を見てみましょう。先ほどの演繹法の考え方であれば、
事実2:幹部をやっていた。
事実4:幹部は後輩の進路相談などをする。
結論3:後輩のとりまとめが大変な作業だったが評価された。
という順序で話せば、聞き手は理解しやすくなりますよね。

さらに、
事実4:幹部は後輩の進路相談などをする。
結論3:後輩のとりまとめが大変な作業だったが評価された。
事実4b:後輩の進路相談は大変な作業だが私は幹部としてやり遂げた。
というように、帰納法により事実4b も加えて言えるでしょう。

次に、
事実6:鎌倉時代に興味があった。
事実7:図書館で本を借り知識をつけた。
結論8:入社したら自発性と組織をまとめる力が役に立つ
ですが、「事実6 と事実7 だから結論8」、というように聞こえてしまい、話が唐突すぎて、説得力がありません。

理由は、最終の結論8 が、実は事実6 と事実7 から導き出されるのではなく、他の事実から導き出されるべきものだからです。

さらに、事実7に至るには本当は理由があって、その結果として「図書館で本を借り知識をつけた」はずです。なので、「事実7」は「結論7」と位置付けるべきです。

事実6:鎌倉時代に興味があった。
事実6b:?
結論7:図書館で本を借り知識をつけた。
ということですね。

これを帰納法の考え方から、事実6b を導き出すとしたら、例えば事実6b:鎌倉時代について更に深めたいと自ら欲した。と言えるでしょう。

このような組み立てにより、
事実4b:後輩の進路相談は大変な作業だが私は幹部としてやり遂げた。
�→「組織をまとめる力」につながる

事実6b:鎌倉時代について更に深めたいと自ら欲した。
�→「物事を自発的にすすめられる」

結論8:入社したら自発性と組織をまとめる力が役に立つ.
という話の構成が出来上がります。

まとめますと、
􀁺 事実1:歴史研究サークルに所属していた。
􀁺 事実2:幹部をやっていた。
􀁺 事実4:幹部は後輩の進路相談などをする。
􀁺 結論3:後輩のとりまとめが大変な作業だったが評価された。
􀁺 事実5:歴史に興味があった。
􀁺 事実6:鎌倉時代に興味があった。
􀁺 事実6b:鎌倉時代について更に深めたいと自ら欲した。
􀁺 事実7:図書館で本を借り知識をつけた。
􀁺 結論8:入社したら自発性と組織をまとめる力が役に立つ
となります。

この流れを意識したのが、先ほどの「パターンB」です。「パターンB」では幹部になった経緯や組織を動かした経験のアピールをさらに意識した順序になっています。

いかがでしょうか。
ちょっと難しいようですが、ここまでやった作業は

  • 話を要素に分解する。
  • それらの要素が正しくつながっているのかをチェック。
  • 正しくつながってない場合は、順序の変更をする。
  • それでも違和感がある時は、演繹法・帰納法により要素の追加を行う。

という非常に簡単なことです。

実は、この演繹法と帰納法という考え方の基礎ができていないと、自己分析も志望動機も、あなたが学生時代の活動でアピールしたいことも、会社に入って何がやりたいかも、スムーズに説明することはできません。

多くの学生の話に説得力がなく、魅力を感じない原因の一つはこのような論理構成の基礎ができていないためと考えられます。

もし、手元にすでに書いたエントリーシートがあれば、上記の方法でチェックしてみて下さい。このページを読んだあなたは、これを読む前よりも確実にUP しているはずです。まず話を要素に分解して、あとはパズルを組み立てるように、楽しんでみて下さい。



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